SVツアー関西勉強会資料2
ウィキノミクス
ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ
コミュニティによる集団参加型の活動を、現在進行中の産業シフトと捉え、実世界におけるケーススタディを展開する。
2007年に話題になった本のエッセンスをまとめました。梅田望夫さんの本と呼応するところがあると思っています。
ウィキノミクスの四本の柱
・オープン性(企業外リソース、規格統一、情報の透明化)
・ピアリング(水平型組織、コミュニティ的貢献)
・共有(知的財産の活用、インフラの共有化)
・グローバルな行動(多国間での物理的・地域的な障害の撤廃)
コースの定理
コースによれば、企業は社内で行う取引のコストが、社外で行うコストより大きくなる手前まで規模を拡大すると言われている。「ウィキノミクス」においてはこれを逆に読み、社外とのコミュニケーションコストが極端に低下した現在、企業は社内コストに利点が出るまで規模を縮小するべきだと主張している。
なぜオープンソースは成功するか?
自己選択型コミュニティにより、適材適所が実現しやすい。また、キャリアへの発展や人脈の形成に繋がる事も多い。本書は、好きだからやっているところに好条件がそろいつつある、と主張する。企業がOSSに参加する理由としては、開発費の圧縮(コラボレーションによるアウトソーシング)が挙げられる。OSSを社会資本として認識する風潮も追い風になっている。
ピアプロダクションの利点
・社外人材の活用
・ユーザとの一体感
・新しい需要の喚起
・コスト削減
・競争のポイント変化
・所有権による摩擦の低下
・社会資本の形成
アイデアゴラ
社内リソースの公開による、価値の増幅。解析に非常に時間がかかるDNA情報の相互公開。使われていない特許の活用。社外の人的リポジトリの活用。
プロシェーマー
プラットフォームの開放などによるユーザ参加での開発。API公開。ウィジェット。マッシュアップ等。
世界工場
製造のグローバル化による製造業の変革。パーツの開発を各国のサプライヤーに任せ、コア技術部分とアセンブリーのみを担当する。(詳細は以下のケーススタディに詳しい)
ウィキノミクスの設計原理
・リードユーザからヒントを得る事
・クリティカルマスを達成する事(ユーザ数の増加)
・コラボレーションのインフラを提供する事
・十分な時間をかけて適切な統制と構造を実現する事
・参加者全員が価値を得られるようにする事
・コミュニティの規範に従う事
・プロセスが進化するに任せる事
・コラボレーションの精神を研ぎすませる事
その他メモ
・集合知のフィルタとして、インターネットは機能する
・マスコラボレーションは創発の場(OSS, API公開)
・P2Pでの口コミやSNSでの評判がマスマーケティングを凌駕する
・アウトソーシングや拠点移転によって研究や生産コストは劇的に低下する
・中国、インドの急成長の重要性
・ピアリングでは自分が技術や経験を持ち、興味がある部分を選ぶ事ができる
ケーススタディ
例: Linux, Wikipedia, FightAIDS@home
・ゴールドコープ・チャレンジ
行き詰まった金掘業社ゴールドコープが、自社の集めた金鉱探査データを公開したところ、様々な技術を持った人々が金鉱発掘に参加し、多数の金鉱が発掘され、双方に良い結果が残った
・P&Gのイノセンティブ・ネットワーク
P&Gは増え続ける開発費用を抑え、新しいアイデアを集める方法として、新製品や新規サービスのアイデアを社外から調達している
・ICICI銀行
インド第2位のリテールバンク。世界的銀行に進出しつつある。人件費の安さと、オープンソース製品の活用でインフラコストを西洋諸国銀行の1/10以下に。
・ボーイング787
世界各地のサプライヤーをピアとして捉え、開発前段階から構想に参画させた。 ノウハウは少しずつ社内に残し、後はサプライヤーに深く任せる。 各サプライヤー同士に設計・開発を担当させる事で、パーツごとのコストダウン、新技術の導入が容易になった。サブアセンブリーは世界各地で行われ、その後のアセンブリーは3日で終了する。キーはリアルタイムのコラボレーションを可能にするシステムを導入した事。










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