シリコンバレー精神
梅田望夫
梅田望夫氏が1996〜2001年まで日経BPに連載されていた「シリコンバレーからの手紙」をまとめた「シリコンバレーは私をいかに変えたか」を文庫化したもの。現地に移住し、数年経ったばかりの同氏の同時代的な体験、考察が綴られる。
内容要約
シリコンバレーの基本
基本的には「天気のよい田舎町」である
自然が豊富でQOLが無料で向上する感覚
ベンチャーキャピタルが融資する「失敗しても返さなくていいお金」
日本や経済的に成長している国の人は少ない(自国で活躍できるから)
スタンフォードの学生は自転車でハイテク企業をうろうろできる
就活はタイミング次第、企業が必要としたら即採用、運や偶然も大切
ガレージでの創業が多いのは、天気がよくて車を格納する習慣がないから
日本はレイオフをしにくい体質なため、経済が悪化すると新卒採用を控え、その結果新技術へのキャッチアップが遅れてしまう
事業の失敗、成功はあくまでビジネスでのことなので、人生に反映させてはいけない(代償を追う必要はない)
ベンチャーの成功確率はだいたい3%
失敗したベンチャーの社員も能力が評価されればスカウトがくる
EXIT Strategy –ある程度までの成功を「成功」として確定して、リターンを出して清算すること
99年には多くの人がベンチャーに走った
日本にはリスクマネーが少ないので、ベンチャーはどうしても創業者の資金頼みになってしまう(そして創業者中心型の企業へ)
情報と流動性を近づけることによってリスクを低減するポートフォリオ理論(分散投資)
大企業がベンチャーを買収する習慣が常態化
企業も個人も「人間の限界を超えつつあるスピードで生きる社会」になってしまった
アーリー・リタイアメント
老後に一定の水準を維持しながらも生活できるだけの資金が溜まる年代をイメージし、人生設計を組み立てること。
まとめと感想
僕にとっては当時、ニュースの向こう側の出来事でしかなかったドットコムバブルの時代体験が綴られていて、懐かしさと「そういうことが起こっていたのか」という感慨を感じた。独禁法訴訟下のマイクロソフトとビル・ゲイツについての考察も多い。後半では梅田氏がシリコンバレーにおいて、会社設立、VCへの参画といった過程を経ることになった遍歴が描かれており、シリコンバレーが文字通り「人を変える土地」であることに納得する内容となっていた。
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